CONTAX RTS-III
2019-01-01
CONTAX RTS-III
RTS-IIIは、ヤシカ・コンタックのトップモデルReal Time Systemの3代目として、1990年に登場しています。
フィルムバックに真空吸着によるフィルムの平面性を保つ装置を導入しています。
視度調整付きで、ハイ・アイポイント、視野率100%のファインダーも導入されました。
当時としてはかなり意欲的なカメラで、ボディも剛性の高いマグネシウムボディです。
そのためか、定価35万円という、価格も意欲的で、当時の日本製35mm一眼レフカメラでは最高価格だったと思います。
私は新品では購入できず、発売から数年経って中古で購入しました。更にその後もう1台追加購入しましたが、2台目を購入したのは、結構修理に出すことが多く稼働率があまりよくなかったからです。特にファイルダー内情報を表示するELは、交換しても2〜3年でまた表示が消えてしまうくらい、寿命が短かったです。
使い心地自体は非常に素晴らしく、特にシャッターレリーズの切れのよさは、特筆すべきものです。
軽く触れるだけでシャッターが切れるフェザータッチ。これに関しては、未だに他のメーカーの追従を許していないと思います。フェザータッチなのですが、半押しで露出計測開始、そこから少し指先(で押すという感じではなく)に意思を込めることでレリーズする感じなのです。
ファインダーは明るく見やすいという評判ですが、倍率が0.74倍ですが、アサヒカメラの実測では0.66倍しかなく、ピントの山が掴みにくいものとなっています。
これに関しては、とあるアマチュアの方が、ファインダー部分に装着する「倍率アップアダプタ」と、ピントの山が判りやすい「ガラススクリーン」を製作し、ほぼ実費にて配布して戴き、問題ないものにできました。P55/1.2の開放で、きちんとピントが合わせられるレベルになったくらいです。
裏蓋に装備された真空吸着装置。3本のスリットから空気を吸い込みます。
CONTAX T2
2019-01-01
CONTAX T2
CONTAXブランドの高級コンパクトカメラの2代目として、1990年に登場しています。
初代はポルシェ・デザインによる外観デザインがされていましたが、2代目は京セラ社内のデザインのようです。しかし、チタン外装は元々ポルシェの指定だったそうで、初代の時には技術的・コスト的に実現できなかったのが、本機で実現しています。
レンズにCarl ZeissによるSonnar T* F2.8/38mmレンズが搭載されおり、コンパクトカメラにこのような高性能レンズを搭載することはまだ珍しかったと思います。
値段は12万円と、コンパクトカメラとしては、非常に高価なものでした。しかし、CONTAXという名前とSonnarレンズの高性能さに惹かれて、購入する方が多かったようです。
後にLeicaが同じような高級コンパクトカメラを発売しますし、Panasonicと提携したデジタルカメラでも、コンパクトタイプを積極的に推進しているのは、このT2の成功があったからではないかと推測しています。
私はCarl Zeissレンズファンの集いで、そこの仲間から格安で中古を譲って戴きました。しかし、写りがCarl Zeissにしてはすっきりとし過ぎていて、京セラブランドのZeissレンズ搭載コンパクトカメラの方が好みの写りをしていたため、すぐに手放してしまいました。
京セラ T Scope / T Scope2
2019-01-01
京セラ T Scope / T Scope 2
CONTAX Tが人気だった頃に、Yashica/京セラからCarl Zeissレンズを搭載したコンパクトカメラが、比較的手頃な値段で発売されており、その中にT Scopeがありました。それがモデルチェンジして(見た目は全然変わらないのですが、AFとAEの制御が改善されたらしい)T Scope 2が発売されました。
どちらもレンズは同じで、Tessar T* F2.8/35mmが搭載されていました。これ以前に発売されていたコンパクトカメラには、Tessar T* F3.5/35mmが搭載されており、またTScopeの後のコンパクトカメラでは、再びF3.5/35mmに戻っていますので、F2.8/35mmを搭載していたのは、この2機種だけです。
このF2.8のレンズは、Tessar(4枚レンズという意味)にも関わらず、通常のTessarだと2枚の貼り合わせになっている後群が、1枚の非球面プラスチックレンズになっていました。
またこのレンズはバックフォーカスが長かったらしく、T Scope / TScope 2のボディは非常に厚みがあり、胸ポケットには入らないサイズで、コンパクトの軽快さが足りないという欠陥がありました。
しかしながら、1枚がプラスチックレンズとはいえ、非球面レンズ使用により、非常にシャープな写りを実現しており、3枚レンズのせいか非常に抜けのよい写りが魅力でした。
私は最初にT Scope 2を新品で購入したのですが、コンパクトカメラらしくないサイズに閉口して、その後に発売されたSlim Tに買い換えてしまいました。しかし、その写りの違いから、もう一度T Scope 2が使いたくなり、ネットで探し回って中古のT Scopeを買ったのです。それくらい、このF2.8/35mmのレンズは素晴らしい写りをしてくれます。
そのプラスチックの非球面レンズ。ぽっこりと飛び出ていて曲率がかなり大きいです。
このレンズユニットを取り出して、NEXのマウントを取り付けられないものかなぁ。
絞り調整ができないけどさ(笑)
京セラ Slim T / T Proof
2019-01-01
京セラ Slim T/ T Proof
T Scope 2の大きさに閉口して、Slim Tが発売されてすぐに買い換えました。
シャツの胸ポケットに収まるサイズは、非常に使いやすいもので、大活躍をしてくれました。
Slim T / T ProofのF3.5/35mmレンズもなかなかの写りをしており、T2のあっさりした描写よりも、こちらの方がCarl Zeissらしいこってりとした色を出してくれます。
ちなみにレンズは全てガラスで、プラスチックレンズは使用されいません。
Slim Tが発売になった頃は、コンパクトカメラは(低コストで性能が確保しやすいため)非球面プラスチックレンズ採用のものが多く、球面ガラスのみのものは少なくなっていたと思います。そういう意味でも、当時は貴重な存在でした。
当時のコンパクトカメラでは、ピカ一の描写性能で、クルマ仲間にオフミの時の写真を送ってあげたら、「あんな小さなカメラで、こんな立体感のある写真が撮れるのか!」と感動して、すぐに購入したという実績があるくらいです。
T Proofに買い換えた理由ですが、よく憶えてません(笑)。たしか当時行き付けのカメラ店で年末セールをしていて安かったことと、生活防水仕様に惹かれたのとで買ったのだと思います。Slim Tも結構長く使っていて、くたびれてきていて調子がイマイチだったような気もします。
ちなみに私が購入したT Proofは、長野オリンピック記念モデルというものでした。カメラ本体は普通なのですが、箱が2重箱になっていて、外箱が記念印刷になっていました。製造工場が長野県下にあったからなのでしょうけど、意味があるとはとても思えない記念モデルでした。
YASHICA 108 Multi-Program
2019-01-01
YASHICA 108 Multi-Program
CONTAXシリーズとは別にYASHICAブランドで、Y/Cマウントのカメラボディ/レンズが廉価版として販売されていました。その中の一つで、1990年発売のモデルです。
プラスチック外装のボディで、見た目も使い心地も、如何にも安物なものでしたが、まあ値段が値段だけに仕方がないです。手軽にCarl Zeissレンズが使えるのが魅力というくらいでした。
このモデルに「Yodobashi」ブランドを冠した、ヨドバシカメラ専用モデルがありまして、ヨドバシカメラの創業何周年だかの記念モデルとして販売されたようです。ズームレンズ付きで2万円を切った値段で購入したのですが、どう考えても店員さんが値段を間違えていたとしか思えません。他のヨドバシ店舗では39,800円なのに、その店舗だけ19,800円なんだもの。
安さに惹かれて思わず買ってしまいましたが、ファンダーの見やすさも、手に持った安定感も、シャッターを切った時の感触も、RTS-IIIとは次元が違いすぎて触る気にもなれず、ほとんど使わずに下取りに出してしまいました。なにしろ東独製一眼レフより感触がチープなんだもの。
Canon EOS 5D
2019-01-01
Canon EOS 5D
マウントアダプタによりY/Cレンズを使うために購入したので、CONTAXのページに入れました。
35mmフルサイズデジタルカメラとして、期的な低価格を実現したEOS 5Dの登場は、APS-Cサイズの写りに満足できなかった私には朗報でした。何よりEOSマウントなので、多くのレンズがマウントアダプタを使って使えることが魅力です。
とはいえ、発売後すぐに購入したわけではなく、1年以上経過して値段がかなり安くなってから新品で購入しました。
階調再現性の高さは、やはりフルサイズでないと、と思わせられる滑らかなものでしたが、色再現性がどうも乏しく感じられました。AdobeARGBに設定しているのに、sRGBの色範囲しか記録されていないように感じられたのです。
ボディの質感は値段なりで、可もなく不可もなくというところですね。悪いわけではないのですが、キヤノンの製品はどうも実際の質よりも、見た感じが低く感じられてしまう傾向があるので、そういう心理的な面で質感が悪く感じられてしまうと思います。
これを購入した半年後にD3を購入し、D3の出来が素晴らしかったため、以来5Dの出番はほとんどなくなってしまい、結局デジタルでのY/Cレンズを諦めて、下取りに出してしまいました。後継機の5D Mark-IIが、発売直後にトラブルが多発していたため、そちらに買い換える契機を逸してしまったことも、Y/Cレンズ+EOSフルサイズを断念した理由です。